対談〈第3回〉|salvia・セキユリヲ✕水縞・植木明日子
―4つのメッセージハンコや紙のものが生まれるまで
今回つくられたのは
THANK YOU / HELLO / HAPPY FOR YOU / YUMMY
の4種類。
水縞のハンコや紙のものはすでに完成度が高く、
「これ以上何を足せばいいのか」と悩んだというユリヲさん。
そこで気づいたのは、
水縞のアイテムは“思いを伝える道具”である
ということ。
だからこそ、ただの模様ではなく、
“気持ちを届ける言葉”をのせたかったといいます。
● YUMMY
東川のレストラン「ペリカン」へのお仕事がきっかけ。
「美味しい」を伝えるツールは、布ものでは難しい。
だからこそ、文具の世界で表現したかった言葉。
線画のモチーフは、ワインや食卓を思わせる大人っぽい雰囲気に。
● THANK YOU
花と茎をバラしてスタンプに。
重ねても、枠に入れても、切手のようにも見える。
“組み合わせる楽しさ”を意識したデザイン。
● HELLO
家や木など、外の世界を感じるモチーフ。
木の陰から「HELLO」と声をかけるような、
物語のある図案に。
● HAPPY FOR YOU
贈り物のラベルのような、少し特別な言葉。
「サンキュー」より一歩先の気持ちを届けるために選ばれたフレーズ。
― 書体・大文字小文字・線の流れまで“意味”がある
4つの言葉は、書体も大文字小文字もすべて異なります。
• THANK YOU:しっかり読める、まっすぐな書体
• HELLO:頭だけ大文字で、軽やか
• HAPPY FOR YOU:HAPPY が主役
• YUMMY:筆記体で、柄としても使える“控えめな存在感”
特に YUMMY は、反転させれば模様としても使えるように設計されており、
「主張しすぎず、でも確かにそこにある」絶妙なバランスが意図されています。
― モチーフ選びの背景
線画のモチーフは、
それぞれの言葉が持つ“気配”を形にしたもの。
4つの性格がはっきり分かれるように、
あえてテイストを揃えず、
「違う人が使っても似合う」幅を持たせています。
― レトロ印刷の“迷い”と“楽しさ”
封筒や紙ものの制作では、
レトロ印刷ならではの“色の制限”が大きなポイントに。
だからこそ、
「迷うけれど、その迷いさえ楽しい」
という世界が広がります。
偶然性を受け入れ、
“狙いすぎないデザイン”に委ねることで、
紙とインクが生み出す味わいが立ち上がる。
その姿勢は、
水縞とサルビアの共通点でもありました。
― 使う人の手で完成するデザイン
自在ハンコや紙のものは、
押し方・重ね方・向き・紙の選び方によって、
まったく違う表情になります。
「完成形を決めない」
「自由にしていい」
という明日子さんのデザイン哲学はそのままに、
ユリヲさんの日常から生まれたハートウォーミングな言葉と図案で、
今回のコラボレーションがさらに豊かに広がりました。




