対談〈第2回〉|salvia・セキユリヲ✕水縞・植木明日子
今回のコラボレーションでは、明日子さんのデザインが水縞の文具の世界から飛び出し、
サルビアの「ふんわりくつした」へと広がりました。
紙と布。平面と立体。印刷と編み物。
素材が変わると、デザインの考え方も大きく変わります。
その“戸惑い”と“発見”が、ふたりの対話から鮮やかに浮かび上がりました。
―紙から布へ——初めての靴下づくり
明日子さんにとって、靴下のデザインはまったく未知の領域でした。
• 平面で描いたものが、足に沿って立体になる
• くるぶしの位置や、履いたときの見え方を想像しなければならない
• 糸の色は「混ぜて作る」ものではなく、最初から“決まった色”しかない
紙のデザインとはまったく違う世界。
「どうなるかわからないまま飛び込んだ」という言葉が印象的でした。
でも、だからこそ生まれた大胆さや自由さが、明日子さんデザインのふんわりくつしたの魅力になっています。
―ユリヲさんの靴下デザイン観
一方で、ユリヲさんは靴下デザインの経験が豊富。
でも、そのアプローチはとても“静か”で“詩的”です。
• 季節の移ろいを足元に添える
• 音や光など「目に見えないもの」をデザインに落とし込む
• 日常のささやかな気づきを模様にする
「ピアノ」という靴下の話は象徴的でした。
鍵盤を描くのではなく、音の流れを細長い長方形で表現する。
見えないものを、見える形にするデザイン。
その感覚は、明日子さんのデザインした“テープ”のデザインに、光を感じる表現ともどこか通じています。
植木明日子さんデザイン「ふんわりくつしたーテープー」
セキユリヲさんデザイン「ふんわりくつしたーピアノー」
―素材が変わると、デザインの“偶然性”も変わる
紙のデザインは、インクの重なりや紙質による“偶然の味わい”がある。
靴下は、糸の太さや編み方、立体になることで生まれる“偶然の表情”がある。
どちらも、完成形をコントロールしすぎないからこそ面白い。
ふたりが大切にしてきた「偶然性」へのまなざしが、素材を越えて響き合っていました。
―サンプルが届く瞬間のよろこび
ふたりが声をそろえて語ったのが、
「サンプルが届く瞬間がいちばんワクワクする」
ということ。
紙で描いたものが、糸で編まれた“立体の靴下”として現れる。
その驚きと喜びは、デザインの醍醐味そのもの。
ユリヲさんの家には、商品化されなかったサンプル靴下がたくさんあるという話も、
ものづくりのリアルで温かい一面でした。
―お互いに聞いてみたかったこと
ユリヲさんが明日子さんに尋ねたのは、
「靴下のデザイン、どうだった?」という素朴な質問。
明日子さんの答えは、とてもまっすぐでした。
• 靴下が好きだから嬉しかった
• でも、自分で“選ぶ”のではなく“生み出す”のは難しかった
• だからこそ、ユリヲさんの靴下を毎日眺めて学んだ
その言葉に、ユリヲさんも深くうなずきながら、
「靴下は特殊な世界。でも、だからこそ楽しい」と語ります。
植木明日子さんデザイン「ふんわりくつしたーらくがきー」




