COLUMN

対談〈第1回〉|salvia・セキユリヲ✕水縞・植木明日子

今回のコラボレーションの背景には、長い時間をかけて育まれた関係性があります。
最初は仕事でもなく、ブランド同士の接点でもなく、もっと日常の延長線上にある“偶然の重なり”から始まった関係でした。
子育てを通じて自然に距離が縮まっていったふたり。
けれど、今回のコラボレーションは「いつの間にか決まっていた」わけではありません。
そこには、周囲の人たちとの信頼関係や、日々の会話の積み重ねがありました。

■まずは互いを他己紹介
対談の冒頭で語られたのは、ふたりの「出会いの物語」。
実は、最初から深い関わりがあったわけではありません。
共通点といえば、ほぼ同じ時期に生まれた子どもの子育てをしていたこと。そして、サルビアのあるシェアオフィスに、
明日子さんのご主人で建築家の安宅研太郎さんが席を持っていたこと。
その小さな接点が、ゆっくりと縁を結び始めます。

シェアオフィスの立ち上げ、空間づくり、そこに集まる人たち。
フランス人が住んでいたというキッチンのある空間で、焼きたてのスコーンやマフィンを囲む時間。
そこにふらりと顔を出すメンバーとその子どもたち。
仕事と子育てが自然に混ざり合う、あたたかな場がありました。

その中で、ユリヲさんと明日子さんは「子どもも一人の人間として尊重する」という価値観を共有していたことに気づきます。
それぞれの立場や年齢に関係なく、みんなが同じ地球に生きる仲間として関わり合う。
そんな空気が、ふたりの距離を自然と縮めていきました。

明日子さんは出会う以前から、あこがれの存在としてユリヲさんを知っていました。
そして、ユリヲさんは「一人のお客さん」として「なんてカワイイの!」と、水縞の紙ものを手に取っています。
ブランドとしてではなく、知人だからでもなく、純粋に生きる価値観や「好き」の根っこがつながっていたようです。

■デザインの根、コラボレーションの根
仕事でもなく、計画された出会いでもなく、
“暮らしの中で自然に重なっていった縁”。
それが、今回のコラボレーションの根っこにあります。

コラボレーションのきっかけは、ふたりの間に直接あったわけではなく、
共通の知人であり、信頼する存在でもある“団さん”の存在が大きく関わっていました。
水縞の経営顧問として関わる団遊さんはサルビアの代表であり、明日子さんのご主人とも旧知の仲。

仕事の相談をする中で、サルビアの話題が自然と出てくるようになり、
「それなら、つないでみたらいいんじゃない?」という流れが生まれます。
明日子さん自身も
「いつかサルビアさんとご一緒できたら」という思いを密かに抱いていた。
その“気持ちの芽”と、団さんの後押しが重なり、今回のコラボレーションが動き出したのです。

■偶然性を重ねるハンコ
そして話題は、水縞の代表的アイテムのひとつである 自在ハンコ へ。
自在ハンコは、単なる「判子」ではありません。

明日子さんが長く抱いてきた“偶発性のあるデザイン”への探求から生まれたもの。

決められた完成形を押すのではなく、
押し方や組み合わせによって、誰の手の中でも新しいデザインが生まれる。
•  アクリルのハンコをいろんな土台に貼って使う自由さ
•  最初は、幾何学模様だった。パーツを選ぶところから始まる“デザインの余白”
•  押し方によって変わる表情
•  手書きでは出せない「きちんと感」と「ゆらぎ」の同居

明日子さん自身が「完成形を作るのが苦手」と感じていたからこそ、
“土台はあるけれど、自由にしていい”というハンコのあり方に惹かれたそうです。
その感覚は、使う人の心にも自然と寄り添います。

「デザインが得意じゃなくても大丈夫」
「押すだけで、自分らしい表現が生まれる」
自在ハンコは、そんな安心感をそっと手渡してくれる道具なのです。

出会った頃の写真。
右:水縞・植木明日子さんのご主人:安宅研太郎さんとお子さん
左:セキユリヲと葉ちゃん(当時1歳、今はもうすぐ6年生)