COLUMN

STORY|木工職人 Koba.works

北海道東川町で木工職人をするおふたり、
小林英里果さんとペーテル・ポールソンさん。

セキユリヲも学んだ、スウェーデンはカペラゴーデン美術工芸学校の出身です。
木工の盛んな東川町で、日本の木工技術を大いに学んだおふたりはこの春、スウェーデンへと飛び立ちました。

おふたりの作品からは、ユーモアとハートウォーミングな心、
環境に負荷をかけない作品づくりや生き方を感じます。

スウェーデンに旅立つ前のお二人の工房を、セキユリヲが訪れました。

‐‐以下、会話--
E:小林英里果さん
P:Peter Pålsson(ペーテル・ポールソン)さん
Y:セキユリヲ

P:これがBUNTA(ブンタ)というペン立て式ペンケースです。スウェーデン語で「束ねる」という意味です。

Y:うわ~すごい、不思議な形、どうやってこの形にしてるの?

P:かんながけも木の毛並みに沿ってやっています。木目もいろいろなのでそれに合わせて…

Y:この木は何?

E:茶色い方はチェリーで、薄い色の方はタモの埋もれ木です。

Y:埋もれ木?タモはよく聞くけど、埋もれ木というのは初めて

E:はい、私もここにきて初めてしりました。たまたまこの工房に置いてあったのですが、
 水に浸かった木を「埋もれ木」というそうです。
 本来タモはもう少し白いのですが、水に浸かったものはなぜか少しグリーンがかるんです。

Y:そうだね、たしかにちょっと緑がかってるね。

P:スウェーデンには水に浸けた木をつかうことがないのでとても面白いです。

Y:今回、お二人の作品を蔵前のお店とオンラインショップで取り扱わせてもらうのだけど、
 この音の出る仕組み、とっても面白いね、どうやって作るの?

E:これはカードケースの出し入れする際の空気を利用して、
 笛のように組んだ木が振動することで音がならせるようになっています。
 できるだけ、木の状態をそのままにできるよう、一本の角材のカードケースの外側は角材の外側、
 引き出す部分は角材の中側でそれをくりぬいて、引き出しを納めた側面の木目が角材の時と同じになるようにしています。

Y:へええ~、こんな薄いものをはめて鳴らしているのね、よく思いつくなと思うし、
 木が一つのものの状態を保てるように作られてるなんて、素晴らしいね、たしかに中も木目がちゃんとそろってる

Y:このパイプス、やさしい音がするね。鞴(ふいご)の部分は紙でできてるの?

E:そうなんです、色も自分で着色して、この形状になるように折っています。

Y:よく思いつくね、なんで音が出るものを作るように?

E:もともと木製のパイプオルガンに感動して、音が鳴ることには興味があって、
 玄関のキーボックスに鍵をかけると音が鳴るようにできたら、目の見えない方にも
 誰か帰ってきたことがわかったり、自分がいることを伝えられていいなと思い作り始めました。

 来年スウェーデンのゴットランドで展示会をやりたいと思っているんです。
 そこをパイプスでいっぱいにして、お客さんも展示に参加してもらえるようにしたいなと思ってるんです。

Y:わ~すごい、楽しそう!

E:これは歌口の部分を作っているところです。

Y:いろんな形があるんだね。なんかソーセージの木彫りの人形も作ってるんだって?

※ 歌口 -うたぐち- 
笛・尺八などの管楽器の、口をあてて息を吹き入れるところを指す

E:そういえば、ソーセージ、いまちょうど作りかけのがあって…

Y:(笑) またなんでソーセージなの?

E:ほんと、スウェーデンっていろんな種類のソーセージがあって、ある時友達への誕生日プレゼントに
 木彫りでソーセージのおもちゃを作ったのがきっかけで、それがとっても楽しかったんです。

 学校でテーブルの製作をしていた時、全然うまくいかなくて、
 ふとソーセージ作るのが楽しかったのを思い出して作ってみたんです。

 スランプの時って、なんかはけ口のようなものが必要じゃないですか、
 それが私の場合、木彫りのソーセージを作ることだったんです。
 そこからいろんなソーセージを掘るようになりました。

Y:ほんとユニークだね。
 今度サルビアとお二人とでコラボーレーションさせてもらうことになった手仕事の道具、
 私たちサルビアのモノづくりを理解して提案してくれて本当にありがとう。
 
 スウェーデンやカペラゴーデンとご縁のあるおふたりと、一緒にモノづくりができてとても嬉しい!
 私も監修させていただいて、貴重な経験にもなりました。出来上がるのとっても楽しみにしてます。

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おふたりとコラボレーションして制作中の手仕事の道具は、次回ご紹介します。

どうぞお楽しみに~♪

Koba.works

■■小林英里果(北海道旭川市出身)木工職人■■

 スウェーデン家具製作修行中にパイプオルガンの制作現場に出会い
感銘を受け、以来、木製パイプを取り入れた製作を続けている。
音が人に与える影響をプロダクトとして身近な存在になるよう
「音の鳴る箱」をコンセプトに自身のメインプロジェクトとしている。

■■Peter Pålsson ペーテル・ポールソン
 (スウェーデン・スコーネ地方出身)木工職人/デザイナー ■■

機械を主に使用する製作方法から、カービングナイフ等の手工具を使用する方法を混合させ、独自の造形を行っている。
視覚的、感触的、両方を楽しめる作品を目標とし日々製作を行っている。